「うちみたいな一般家庭でも相続税ってかかるの?」「基礎控除ってよく聞くけど、具体的にいくらまで非課税なの?」
親が亡くなったとき、相続税がかかるのかどうかは、多くのご家庭にとって大きな関心事です。ところが、相続税の話を調べると、いきなり専門用語や複雑な計算式が出てきて、挫折してしまう人も少なくありません。
この記事では、相続税初心者の方向けに、
を、図解テキスト・シミュレーションを交えながらやさしく解説します。
まず押さえておきたいのは、
相続税は「すべての相続」にかかるわけではない
という点です。
相続税には「基礎控除」という“非課税枠”があり、相続財産の合計額がこの基礎控除の範囲内に収まっている場合には、そもそも相続税の申告も納税も不要です。
【相続財産の合計額】 - 【基礎控除】 = 【課税されるかどうかを判定するライン】 ◆ 相続財産 ≦ 基礎控除 → 相続税はかからない ◆ 相続財産 > 基礎控除 → 相続税がかかる可能性あり
つまり、基礎控除は、
「この金額までは税金をかけませんよ」というボーダーライン
と考えると分かりやすいです。
相続税の基礎控除額は、次の計算式で求めます。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
ここで出てくる「法定相続人」とは、
といった、法律上相続できる立場にいる人の数です。
ここで注意したいのは、
といった細かいルールですが、この記事ではまず基本パターンに絞って解説します。
「式は分かったけど、結局うちの場合はいくらまで非課税なの?」
という疑問を持つ方が多いので、ここからは具体例でイメージしていきます。
よくある一般的な家庭構成です。
この場合の基礎控除額は、
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
相続財産の合計が4,800万円までは相続税はかからない、ということになります。
この段階では、まだ「いくら税金がかかるか」まで求める必要はなく、
・相続税がかからないラインを超えているかどうか
をチェックできればOKです。
この場合の基礎控除額は、
3,000万円 + 600万円 × 1人 = 3,600万円
相続財産の合計が3,600万円までなら、相続税はかかりません。
実務上は、
などのパターンも出てきます。
ただし「基礎控除をざっくり知りたい」という段階では、まずは代表的なケースでラインを知ることが大事です。
この場合の基礎控除額は、
3,000万円 + 600万円 × 4人 = 5,400万円
つまり、
都市部に自宅を持っている場合、
「自宅の評価だけで3,000〜4,000万円」というケースも珍しくありません。
そこに預金・保険金などが加わると、あっという間に基礎控除額を超えてしまうこともあります。
ここまでの内容を踏まえて、次の手順で「うちの相続税ライン」を簡易チェックできます。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
この段階では、1円単位まで正確に出す必要はありません。
「ざっくりとボーダーラインを超えそうかどうか」を把握することが第一歩です。
実務の現場では、次のような言葉をよく耳にします。
ところが、実際にフタを開けてみると、
といった理由で、基礎控除を超えてしまうケースも少なくありません。
特に、
といった場合は、相続税の対象になる可能性が高まります。
経営者や不動産オーナーの場合、相続税の基礎控除を超えやすい傾向があります。
オーナー社長が会社の株式を多く持っている場合、その株式も相続財産として評価されます。
など専門的な方法で計算する必要があり、評価額が高額になるケースもあります。
アパート・マンションなどの賃貸用不動産を持っている場合も、相続税評価額が大きくなりやすく、基礎控除を超える確率が高まります。
一方で、小規模宅地等の特例などを活用すれば、大幅に評価額を下げられるケースもあるため、専門家への相談が重要になります。
基礎控除を超えるかどうかは、とても分かりやすいチェックポイントですが、
実務上は次のような場合、注意が必要です。
このようなケースでは、
について、税理士など専門家に相談した方が安全なことが多いです。
ここまでの内容を整理すると、相続税の基礎控除は次のようにまとめられます。
難しく考えすぎる必要はありません。
まずは、
という3ステップから始めてみてください。
そのうえで、
と感じたら、一度専門家に相談するのがおすすめです。